早期治療で回復可能! 網膜剥離の治療法と手術法

眼科まっぷ
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2015年12月28日

早期治療で回復可能! 網膜剥離の治療法と手術法

網膜剥離は失明のリスクもある怖い病気ですが、早く治療を始めれば視力への影響は少なく、十分に回復可能です。網膜剥離の治療法と手術法についてお話します。

早期治療で回復可能! 網膜剥離の治療法と手術法

“前兆”を感じたら即、眼科へGO!

皆さん、目の調子はいかがですか? 視界の中に“糸くず”や“虫のようなもの”が見えたり、突然チカチカとした光を感じたりすることはありませんか? もしそのような症状があったら「網膜剥離」の危険性があるので、速やかに眼科で診察を受けましょう。網膜剥離は外傷を受けた時だけでなく、老化や強度の近視によっても起こることがあります。早期に発見して治療を始めれば十分に回復可能ですので、“前兆”を感じたら即、眼科へGO!ですよ。

まずは眼底検査を

鏡で自分の目を見ても網膜剥離が起きているかどうかは分かりませんし、眼科専門医であっても目の外観だけでは判断できません。そこで網膜剥離の疑いがある際には、眼底カメラや眼底鏡という機械を使って眼球の奥にある「眼底」を調べます。検査は短時間で終わりますが、瞳孔を拡大する目薬(散瞳薬)を投与して行うこともあり、その場合は検査後しばらくの間、目のピントを合わせにくくなるため、自動車の運転等はできなくなります。
眼底検査を受けると、網膜剥離や緑内障、眼底出血などの目の疾患だけでなく、糖尿病、脂質異常症(高脂血症)、高尿酸血症なども発見することができます。

初期段階での治療法

一度剥がれてしまった網膜が自然治癒することはありません。そのため剥離した部分がとても小さかったり、剥離はしていないけれども穴(網膜円孔)や裂け目(網膜裂孔)ができている初期段階の網膜剥離に対しては、レーザーを使って剥離が広がることを抑えます。この治療法は「レーザー網膜光凝固法」と呼ばれ、穴や裂け目の周りを焼き付けて“糊付け”してしまうことで神経網膜の下に水分が入り込むことを防ぐのです。ただし、外来で行うことのできる手軽な治療法ではあるものの、状態によっては予防効果が弱いため、経過を注意して観察することが必要です。

手術には2つの方法がある

1)眼球の外側から治す方法:「強膜バックリング法」
剥離した網膜部分の外側に細いシリコンバンドを縫い付け、眼球壁(強膜)を内側に凹ませて穴や裂け目を塞ぎます。それによって剥がれていた神経網膜と、その土台の網膜色素上皮を接触させるわけです。強膜バックリング法は最も一般的な網膜剥離の手術であり、患者の負担も少ないのですが、重症の網膜剥離には適しません。また、シリコンバンドで強膜を締め付けるため、近視や乱視が強くなるケースがあります。

2)眼球の内側から治す方法:「硝子体手術」
外側から直せない重症の網膜剥離の場合は、眼球内を満たしているゼリー状の「硝子体」を取り除き、眼球内にガスを注入します。それによって風船のように網膜の剥がれている部分を膨らませ、網膜色素上皮に接触させます。強膜バックリング法のような眼球の変形がないため、術後に近視や乱視が起きることは少ないのですが、10日~2週間ほどは下向きか横向きでの安静が必要になります。

早期に手術を行えば、95%が元の網膜の状態に戻ると言われています。ですから“前兆”を感じたら速やかに眼底検査を行って、万が一、網膜剥離と診断されたら時を置かずに治療を受けるようにしましょう。